2012年1月2日月曜日

2011年の10枚

さて2011年のベストについてです。
今回は友人の企画に乗っかってこっちにアワード載せてもらっています。
勿論オールアナログ!
一枚ずつ簡単なコメントを付けてみたのですが後半に行くに連れて疲れてます。


1. Don Cherry & Krzysztof Penderecki - Actions (1971/2011)

夏くらいまでは2010年に引き続いてDon Cherry関連のLPをちょいちょい集めてました。
その中でも現代音楽作曲祭でのライブを収録したLPは刺激的でした。
Don Cherryの作品は一応フリージャズにカテゴライズされており、10分を超える曲もよくあります。
しかし渾然としたインプロがダラダラと続くのではなく、一曲の中にしっかりとした展開があるので非常に聴きやすい。
やっぱり音楽はキャッチーじゃなきゃいかんです。
ちなみにこのLPで共演しているKrzysztof Pendereckiは最近Aphex氏にRemixされたみたいですね。

2. Chris Clark - Clarence Park (2001)
去年の後半は安いエレクトロニカばっか聴いていたのですが、LP単位で気に入るものはなかなかありませんでした。
その中でもChris Clarkたんの1stはアンビエントやらブレイクビーツやらクラシックやら色々楽しめるので飽きずによく聴いていた気がします。
でもこの盤の一番良い点は30分というタイトな尺だったりします。
一枚のアルバムを通して聴く集中力は90分カセットの片面分くらいが限界じゃないでしょうか、少なくとも僕はそうです。
去年のベスト3はすべて40分未満のものになったのは偶然ですが、集中力の持続時間と関連があるのかもしれませんね。
Chris Clarkはこの後も良盤をガンガン出してますが、結局全部この1stの延長のような気が。

3. Ras G & The Alkebulan Space Program - Spacebase is the Place (2011)
今まで本人名義の作品数が寂しかったRas Gですが、去年はLP三枚(うち一枚再発)・12インチ一枚・MixCD一枚をリリースしてよく動いてくれました。
その中でもこれはSun RaっぽいことをやりたがっていたRas Gがようやくそれらしい作品を出せた記念碑的な一枚。
以前までちょいちょい顔をのぞかせていたレアグルーブ的な質感が個人的に好きになれなかったので、ローファイ・フリー方向に振り切れた本作の作風を曲げずにさらに発展させてくれればと思います。
もこもこしたベースや民族的サンプリング、ピュンピュンシンセは最高なのですが今作はSun Raのカオスティックな一面しか表現できていないので、次作以降は本格的にボーカルを入れてくると予想&期待。

4. Michael Leonhart & The Avramina 7 - Seahorse And The Storyteller (2010)
Michael Leonhart And Avramina 7, The - Seahorse And The Storyteller
El Michels Affairのトランペット担当Michael Leonhartのユニットによる傑作1st。
アフロっぽい演奏は最近ありがちなスタイルですが、それにサイケっぽいボーカルが加わってかなり独特な雰囲気になってます。
また、耳当たりが良い「Here Comes The Dragonfish」から、怪しいサントラ風味なインスト曲「Shh... They're Sleeping」までの触れ幅の広さも素晴らしい。
最近動きがないですが本体の新作も楽しみにしてます。

5. Prefuse 73 - The Only She Chapters (2011)
Prefuse 73 - The Only She Chapters
去年の春はAmon Tobinの新譜を一番楽しみにしていたのですがそれ以上に驚いたのがPrefuseの新譜でした。
今まで1stと似たような曲ばかりを作っていた印象だったのですが、それとはまったく違うアプローチの本作は衝撃的でした。
一応世間では実験的な作品ということらしいのですが、むしろ同じ曲しか入ってなかったいままでの方がよっぽど実験的だったので個人的には非常に楽しめた一枚です。
急いで後追いで前作『Everything She Touched Turned Ampexian』も聴いたのですが作風が変化したのはこの作品からみたいですね。
J Dilla〜FL以降、活性化しているビートシーンから逆行するようなこの作風、どうせなら行くとこまで行って欲しいですね。

6. David Lee Jr. - Evolution (1974/2010)
Roy Ayers『He's Coming』にも参加していたドラマーのLP。
全編ほぼ打楽器のみで構成されており、全体的に不穏な空気が充満している一枚です。
特に9分間にも及ぶほぼ完全なドラムソロの「Evolution」の緊張感といったら。
しかし一枚通して聴くとB面終盤の「I Want Our Love To Always Last」で場違いな下手糞ソウルが始まるのでつい脱力してしまうのですが。
このLPの再発元であるUniversal Soundは2011年も三枚素晴らしいジャズのLPを再発しているのでそちらも併せてオススメです。

7. Miles - Facets (2011)

2011年エレクトロニクスレーベルModern Loveはそのアートワーク含め今一番気になるレーベルです。
ミニマル?インダストリアル?ノイズ?アブストラクト?ジャンルハよく分かりませんが、とにかく凄かったのがこのEPでした。
他にもAndy StottやDEMDIKE STARE等のModern Love関連を少しずつ集めて行ければと思います。

8. Way of the Cross - Mind of the Dolphin (2008)
Way Of The Cross - Mind Of The Dolphin
Kemialliset Ystävätのメンバーが参加していることくらいしか分からない、詳細不明の一枚。
基本的にミニマルなインプロゼーションなのでややダレている感も否めませんが、そのフォークとジャズを民族風味でやったような怪しい雰囲気は嫌いじゃないです。

9. Dimlite - Grimm Reality (2011)
Dimlite - Grimm Reality
去年は上述したRas Gをはじめなかなか良いビートものが多かった気がします。
Dimliteも今までそれほど好きではなかったのですが、本作は民族色が濃い非常にNow Againらしい一枚でした。
また、10インチ3枚組+特典7インチというコレクター魂をくすぐる豪華な仕様もポイント高かったです。

10. TIOVITA 1 - God Complex (2010)
Tiovita 1 - God Complex
発売当初はあっという間に売り切れ入手できなかった1枚でしたが、再プレスされたのか去年の年末に手に入れることができました。
ジャズ色が強い「HIMITSU CLUB」と不穏なボイスサンプルを用いた「RC」といったオリジナルも良いのですが、それ以上にmongoikaによるリミックスが素晴らしい。
『Kimi EP』でその片鱗は見せていましたが、mongoikaがまさかこんな本格的なミニマルを作るとは驚きでした。
2011年に引き続き今年も志人は活発に動きそうなので、mongoikaやonimas等のリリースも増えてくれれば嬉しいです。


あー結構長かったですね。
ではみなさん、今年もヨロシクです!
 

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