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2010年7月18日日曜日

Black Lodge『Black Lodge EP』


この春からの環境の変化やツイッターのお陰で「モノを書く」という習慣が完全になくなってしまいました。もう五ヶ月も放置してるこのブログ、もう誰も見てないと思いますがもう一度文字をこの手に戻す為にちょっとづつ書いていこうと思います。いや、ちょっとずつね。
今回取り上げますのはBlack Lodgeの今年出たEP。Black Lodgeって皆大好きじゃない2000年代以降のMoWaxでどうしようもない12インチを出してたくらいしか知らなかったのですが、それからも自主でコツコツやってたようで、今回もホームブリュワーなリリースっぽいです。ジャケは手書きですし。
この人の軸はMoWax時代から徹底して、音数少なめディスコorごちゃごちゃ民族系の二つの路線を曲毎に完全使い分けスタイルっぽいです。一つの作品に全く異なる二種類の曲が入るから、毎回スプリット盤みたいな感じになっちゃう変わった人ですね。
で、このEPは45回転×2枚の豪華仕様、のわりにはそこまで音が良い気がしなかったり。A,C面のディスコ路線は自分の好みの問題もあるけど結構退屈です。そこまで悪くないんだけど今ひとつ興味が持てない音というか。ただ「Pain」の突然スギル音ぶつ切りブレイクなんかはドキドキして嫌いじゃないです。でもやっぱり目玉はやっぱりB,D面の民族グチャグチャ系サイドかな。プログレチックな「Intolerance」、シタールビートな「Blood」共に今の気分にピッタリです。あとなんといっても「Brass」が最高過ぎますね。何が最高ってネタがダンボのピンクの象のアレ。個人的には超大ネタ来たなって感じです。基本鬼のループ一本な構成の曲なんですが、不穏なSEで展開していってもう無茶苦茶好みです。作品全体ではデコボコした印象だけど、曲単位だとなかなか高ポイントなEPでした。
ちなみに裏のシリアルが500/500。これって本当なんでしょうか。

2009年12月14日月曜日

Olive Oil『FROM 薬院 II EP』

前回からの続き。このEPって全然好みじゃないけど、まあたまにはこういうのも。前回取り扱った12inchの後Olive OilはラッパーFreezとのユニット、El Ninoの正規1stを出した後、このソロ名義のEPをリリース。さてこの人の注目のポイントは前回も書いたメランコリックなメロディライン。El Ninoの1stは昔の曲も入ってたから、制作時期はよく分からないんだけど、まあ、なんとかギリギリバランスを保ってて良曲が揃ってる・・・っていうかFreezのラップも相まってアルバム単位で考えると名盤と言ってもいいくらいの出来でしょう、ね。
さてEl Nino後、再びソロの道を歩み始めたOlive Oilは見事にバランスを崩してしまいます。確か昔友人達にこれを聴いてもらったところ、ボクの苦手なプレフューズの二番煎じみたいなこと言われました。でも正直プレフューズより退屈。凡百な捻りのない綺麗系ブレイクビーツなんですよね。この方向はコレの次に出る『Pianity EP』(FROM 薬院 II EP』で裏切られても、ボクはまだOlive氏を信じたかったからこっちもちゃんと買いました)でさらに突き詰められてしまいます。うーん、残念。

2009年12月13日日曜日

OLIVE OIL『ALL ROUNDER』

Olive Oilと言えばシーンに突然出てきたって感じでした。04年頃we nodに何の前触れもなく、一気にどばーっとMixcdが色々入ってきて、しかも収録曲は全部自前。Oil Worksによるその奇抜なアートワークも相まってファーストインパクトは相当なものでした。当時の自分は日本語ラップ一直線だったから、実際それらのMixを手に取ることはなかったんですが、その後に出たRamb CampのFreez(当時は元イルスラングって感じでした)をフィーチャーしたEl NinoのCD-Rには完全にやられましたね。特にあの荒々しいドラムの「Love El Nino」。このCD-Rはアナログも切られてて(確か06年の2月くらいだった筈)速攻33レコードで手に入れたのを覚えています。確か、El Ninoと同じくらいにBig JoeのRemixもやっててこっちはこっちで変則ビートが結構いい感じで好印象でした。
とにかくEl Nino&Big Joe以降、Olive Oilのトラックは凄い!ってことで06年の春休みに渋谷のタワレコでOlive Oil名義の正規1stアルバム『Full of Special Memories』をゲット。確か渋谷Camp1stアニバーサリー的なライブに行く直前でした。ここからようやくボクはOlive Oilと真っ向から向かい合うことに。1stはエレクトロニカ系ブレイクビーツにちょいちょい生音をまぶした雰囲気。で、このバランスが結構いい塩梅なんですよ。全体を通しても結構緩急ついてて、何回も聴きました。今でも十分聴けますね。さて、こっからようやく『ALL ROUNDER』のお話。これは先程の『Full of Special Memories』から数ヶ月後くらいに出たEPでA面は未発表もしくはMixCDオンリーの音源、B面はアルバムからの音源が収録されています。その中でも1stアルバム、いや、Olive Oilのキャリアの中でも一番の名曲「I Never See U Again」がハイライト。ジャズ的なドラムの上をメランコリックなピアノのループが乗ってるだけなんですが、これが素晴らしい。Olive Oilにしては珍しい有体温的サンプリングが印象的な「4 Hits For Stupid」も良い。「Big Shell」なんて聴いた後、到着地が出発地からかなり離れていることにビックリします。なんかこの一曲でOlive Oilのやりたいことは全部できてるのでは、ってくらい中盤以降の展開が目まぐるしいのです。A面の方も凄くて「I Never See U Again」を攻撃的にしたような「DO MY SELF」は勿論かなりジャズ的な曲。強いピアノが素敵です。
さて、上にも書きましたがこの作品は基本的にメランコリックな感じが根底にあって、それは勿論Olive Oilの持ち味なんですが、それって実は非常に難しいっていうか、危ういっていうか、バランス感覚が要求されるんですよね・・・続く。
 

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