Olive Oilと言えばシーンに突然出てきたって感じでした。04年頃we nodに何の前触れもなく、一気にどばーっとMixcdが色々入ってきて、しかも収録曲は全部自前。Oil Worksによるその奇抜なアートワークも相まってファーストインパクトは相当なものでした。当時の自分は日本語ラップ一直線だったから、実際それらのMixを手に取ることはなかったんですが、その後に出たRamb CampのFreez(当時は元イルスラングって感じでした)をフィーチャーしたEl NinoのCD-Rには完全にやられましたね。特にあの荒々しいドラムの「Love El Nino」。このCD-Rはアナログも切られてて(確か06年の2月くらいだった筈)速攻33レコードで手に入れたのを覚えています。確か、El Ninoと同じくらいにBig JoeのRemixもやっててこっちはこっちで変則ビートが結構いい感じで好印象でした。
とにかくEl Nino&Big Joe以降、Olive Oilのトラックは凄い!ってことで06年の春休みに渋谷のタワレコでOlive Oil名義の正規1stアルバム『Full of Special Memories』をゲット。確か渋谷Camp1stアニバーサリー的なライブに行く直前でした。ここからようやくボクはOlive Oilと真っ向から向かい合うことに。1stはエレクトロニカ系ブレイクビーツにちょいちょい生音をまぶした雰囲気。で、このバランスが結構いい塩梅なんですよ。全体を通しても結構緩急ついてて、何回も聴きました。今でも十分聴けますね。さて、こっからようやく『ALL ROUNDER』のお話。これは先程の『Full of Special Memories』から数ヶ月後くらいに出たEPでA面は未発表もしくはMixCDオンリーの音源、B面はアルバムからの音源が収録されています。その中でも1stアルバム、いや、Olive Oilのキャリアの中でも一番の名曲「I Never See U Again」がハイライト。ジャズ的なドラムの上をメランコリックなピアノのループが乗ってるだけなんですが、これが素晴らしい。Olive Oilにしては珍しい有体温的サンプリングが印象的な「4 Hits For Stupid」も良い。「Big Shell」なんて聴いた後、到着地が出発地からかなり離れていることにビックリします。なんかこの一曲でOlive Oilのやりたいことは全部できてるのでは、ってくらい中盤以降の展開が目まぐるしいのです。A面の方も凄くて「I Never See U Again」を攻撃的にしたような「DO MY SELF」は勿論かなりジャズ的な曲。強いピアノが素敵です。
さて、上にも書きましたがこの作品は基本的にメランコリックな感じが根底にあって、それは勿論Olive Oilの持ち味なんですが、それって実は非常に難しいっていうか、危ういっていうか、バランス感覚が要求されるんですよね・・・続く。
Unkutのインタビュー
11 年前
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