2010年2月1日月曜日

珠洲『Flower』


今回は日本のトラックメーカー、珠洲による7インチ。最近名前を見ないと思ったら、もう発売が迫ったMakkenzの新譜のトラックを担当したらしい。
この人、JarBeat周辺のビートメーカーって印象だったけど、改めて調べてみると54-71なんかとも共演しててよく分かりません。
さてこの7インチ、まず厚紙の内袋と、個別のペラジャケというEPにしてはやけに豪華な仕様に驚き。A面の表題曲はメインの上モノやホーンの使い方がヒップホップ的なので、ぱっと聴きの第一印象はアブストラクトなんだけども、細いドラムや所々挿入されるノイズは非常にエレクトロニカ的でもあったりする。複雑ですね。B面のasaのDubRemixは単純に原曲のピッチを落としてエコーかけただけの印象。Dubの形式に沿ってるだけで、あまりおもしろくない。

2010年1月18日月曜日

StapleMouth『Ruler Of Desperate Measures』

いい音楽に金を払うなんて行為はもう古いようで、最近はもっぱら無料ダウンロードが主流みたいですね。先月発売されたMeisoのアルバムで非常に良いラッピンを披露していたStapleMouthのアルバム『Ruler Of Desperate Measures』も一円も出すことなく聴けてしまうのがどうやら2010年みたいです(作品発表は2009年)。
とにかく、全体を通してStapleMouthのラップが素晴らしい。要はかつて流行ってた詰め込みアングラフローの延長なんですが、最近はこういうの減ってきてるので(自分が知らないだけかも)新鮮に聴こえます。そういえばThemselvesの新譜でのDose Oneに似てるところも少しあるカモ。ゲストのJohn TsunamなるMCも声が好みです。
トラックの方はジャケ通りの仰々しく、曲によっては大げさ過ぎる気もしますが、その大げささが良い塩梅な「Halo Retrograde」やエレクトロニカ感が2000年代初期を彷彿とさせる「Glitch」、「Fallen Star」あたりは最高です。
Meisoのインタビューを見ると、この人のアルバム(『Ruler Of Desperate Measures』を指しているのかは不明)は正式なリリースに至っていないみたいですが、作品の出来に対してこの状況は良くないと思います。「J Dilla以降」、「Flying Lotus以降」も良いけど、StapleMouthみたいな「かつてのアングラ復興」的な人達にも脚光が当たってバンバン12インチをリリースしてもらいたいですね。

DLはここから。

2010年1月16日土曜日

ああ

メディア媒体がCDからデータに移行する昨今、アナログ買った人に同内容のMP3をDLさせてくれるNinjaTuneは素晴らしい

2010年1月5日火曜日

初売り

レコード屋の初売り20%セールに行ってきました。
以下、戦果報告。

Ricardo Marrero『Time』(LP)
元々ラテンな人だけど結構フュージョン調な曲もあったり。でも、なんつっても「Feell like making love」な一枚ですね。やっぱええわあ。

Monk Hughes & The Outer Realm『A Tribute To Brother Weldon』(2LP)
2002年に亡くなったWeldon Irvineに対するMadlibのトリビュートアルバム。Monk HughesっておうのはYesterday's New Quintet のベーシストらしい。もう名前とかいちいち覚えられねえ。個人的にはYNQ関連では一番好きかも。

Hu Vibrational『Universal Mother』(2LP)
Carlos Ninoがプロデューサーで関わってるっぽい一枚。Yusef Lateefもフィーチャリングされててびっくり!エレクトロニカ×太鼓って感じでなかなか好み。でも地味。

Sindbad『Gauche』(10')
元気なブレイクビーツ。ラテン調のB面は確かヨーロッパら辺のコンピに収録されてた気がする。何気にSaxがThink TankのChe3Chee。

Dev Large『(It's the) Music』(12')
HMVでの予約強制取り消しの悪夢から早5年、ようやくゲット。ラップ・トラック両方とも後にシングルで出し直した山下達郎のバンドとやった方が好みかな。

Masaaki Hara『How Far Do You Wanna Go?』(MixCD)
この人の著書「音楽から解き放たれるために」がかなり面白かったので、MixCDも購入。「富樫雅彦とDonCherryとKiller Bongに捧げる」とコンセプトがあるように、内容はかなりフリーなジャズ寄り。しかもかなり面白い。はっきり言って、新年早々影響されまくり。今度はこの人のエレクトロニックなMixも聴いてみたい。

DJ Akashi『A Treasure Below The Brine」(CD)
岡山で活動していたらしいDJ Akashiが99年に360° records周辺のレーベルviolaからリリースしたCDアルバム。オリエンタルでジャズっぽい上モノはDJ Krushと初期DJ Camを混ぜたみたい。

The Opus『Movement Four』(12')
なかなか見かけないThe Opusのアナログの中でもTRI-EIGHTから出てる為、比較的入手しやすい12インチ。綺麗スピリチュアル系?

Individual Orchestra『Music from a view』(12')
Individual Orchestra『Sunshining.Some building.Blue sky』(12')
別名義の方が良い仕事をするらしい田中フミヤの、モチロン別名義プロジェクト。両方とも安心と信頼のレーベルRevirthからのリリース。流石の出来。いい。いい。ちょういい。

Various Artist『Suite Espagnole vol.1』(LP)
U.F.OのRaphael SebbagとIzuru Utsumi氏によるラテンコンピ。まあ無難。

Various Artist『Squadron Sampler』(12')
今は亡きレーベルMerckからのコンピ。まあこんな感じか。

2010年1月3日日曜日

あけましておめでとうございます

ちょい遅めですが、2009年的な盤(新譜のみ・再発込み)を順不同で。
本来10枚くらいに絞った方がスマートなんだろうけど、アレもコレも外したくなかったので結局20枚に。


茂千代『NIWAKA』(CD)
マイクアキラ『THE RAP IDOL』(CD)
Heliocentrics + Mulatu Astatke 『Inspiration Information』(2LP)
Natural 9 Nation『親不孝三十六房』(CD)
KENTON SLASH DEMON『KATHABBI』(12')
DJ JUCO『THE BAYSTAR』(7')
Moritz Von Oswald Trio『Vertical Ascent』(2LP)
Altz『Escape - The Reconstruction of "Isophonic Boogie Woogie"』(LP)
SAHIB SHIHAB『SAHIB'S JAZZ PARTY』(LP)
Mongoika a.k.a. T. Contsu『Kimi EP』(12')
Of Norway『The governor’s daughter』(12')
了 RYO『Inner-Beat EP』(12')
OOIOO『ARMONICO HEWA』(LP)
Themselves『CrownsDown』(2LP)
Roy Brooks And The Artistic Truth『Ethnic Expressions』(LP)
CESAR MARAVILLAS『CHOCOPOP JAZZ』(12')
Meteor『Diamond』(CD)
GASLAMP KILLER『MY TROUBLED EP』(10')
菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール『Baile Exorcisomo』(12')
Cro-Mganon『4U EP』(12')


今年は完全に国内ジャズバンドやヨーロピアンジャズ等、所謂モーダル方面に興味がなくなり、スピリチュアル〜民族方向に移行。
それに関連するような四つ打ち12インチも結構買ったなあ。
エレクトロニカなんかもちょいちょい聴きだして実りある一年でした。
あと、ここ3〜4年個人的につまらなかった日本語ラップも今年は豊作で、久しぶりに色々聴き漁りました。
聴くべきものがあるって幸せですね。ありがとう2009!
さて、今年は早速原雅明氏のMixCDにガツンとやられていいスタートが切れてます。

2009年12月31日木曜日

2009年ベストJ-POP

年末ということで今年よく聴いたJ-POPを御紹介!今年も色々聴けました!!


月島きらり starring 久住小春 (モーニング娘。) - ハッテン×JOY
今年遂にその輝かしい音楽活動に幕を下ろしたきらり嬢のラストシングル「はぴ☆はぴ サンデー!」のカップリング。この曲、ボクは最初変拍子と勘違いしてたんですが、それ程ボーカルが前のめりにのっかてるんですよ。いやーきらり嬢のボーカル力(ぢから)はやっぱり凄い、凄かった。身近の組み合わせの妙を歌った歌詞はさながらきらり版「みんなのうた」。DJなんかしてる人には刺さるんです。


松浦亜弥 - レスキュー!レスキュー!
近年の松浦亜弥作品は駄作だらけでしたが、これはなかなかの出来。柔らかい四つ打ちに松浦亜弥の上品なボーカルがよく合う!やっぱこの人バツグンに歌上手いや。ただ、柔らかい曲調に加えてサビが「Oh!レスキューレスキュー どうすれば Everyday Everytime 輝けるの?」って・・・。落ち目のアイドルが自分自身のキャリアに捧げるレクイエムに聴こえて、どうにもやりきれないっす。


雪野のえる starring 北原沙弥香 - 負けん気!強気!元気!前向き!
「きらレボプロジェクト」にMilkywayの“かわいくない方”として約一年働いたご褒美で、唯一のソロ曲。そこら辺に転がってたような雑なトラックと歌詞に二秒で考えたような振り付けも加わって環境としては最悪にも拘らず、ボーカルの「精一杯さ」だけで全部ひっくり返しちゃった名曲。サビは韻も固いのでヒップホップリスナーにも十分アピール出来る筈。ちなみに今年ボクに本当のアイドルの楽しみ方を教えてくれたのは他でもないこの雪野のえる嬢!来年もお世話になります!!


真野恵里菜 - はじめての経験
世間ではポスト松浦ともてはやされているらしいマノエリさんですが、個人的にはあまり楽曲に魅力を感じることはできませんでした。が、これだけは別格。この処女感!もしくは童貞の思い描く女性観感!!現実の何処にも存在しないこーゆー「感じ」はこーゆーJ-POPを聴くしか味わえないんですよね。ライブでの適当な振り付けも見物。流石名曲「愛は勝つ」のKANさんプロデュースですね。


ravex - 悪い子みつけた feat. 安藤裕子
安藤裕子つーのは普通に魅力的な声してますます。こーゆーBPM110くらいのカッケエJ-POPって以外に少ないのよね。今年はこれとPerfumeの「マカロニ」をよく混ぜて喜んでました。余談ですが、煽りに煽られたravexのアルバムはこれともう一曲を除いて全然良くなかったデスネ。特にオズマの曲は大沢伸一、Taku、FPMのデブの三人のプロップスを失わせるには十分な程の出来だったよ。あー悪い意味でエイベックスクオリティ。


°C-ute - One's LIFE
これは最初聴いたとき本当にタマげた。メンバーの中の二人がまさかの字余りラップをキックしてるんだけど、それはラップというよりむしろラップ調のポエトリーディング!リリックも「恋愛も勉学も苦手なんだろう けど 生きるのって誰だって 初めてなんだろう」や「良んだろうか 損だろうか 普通の人生って 何が基準なんだろうか」等、ニヤニヤが止まりません。自分だけの名曲と思い込んで密かにウヒャウヒャしてたので、大々的に宇多丸に紹介された時はなんか悔しかったなあ。いやはや、アイドルラップにはまだまだ可能性が有る!


mihimaru GT - Switch
月島きらりに対する喪失感とPerfumeに対する失望感の最中に出会ったmihimaruGT。
この人たち、チープさが目立つ「元気女性ボーカルJ-POP」の中でもなかなかちゃんとしたトラックを作っているのではないでしょうか。ただ今年は、これ以外あまりパっとしなかったなあ。J-POPやる人達は頭の悪さを前面に出した曲以外作っちゃダメだよ!あと言い忘れてました、毎度のことですがラップもカッコイイです!


中川翔子 - シャーベット色の時間
これは確か2009年1月1日初めて聴いた曲。中川翔子ってその機械的とも言える「ちゃんとした」ボーカル故に聴かず嫌いだったのですが、去年「綺麗ア・ラ・モード」で見事にやられて以来、ちょこちょこ追いかけてます。中川翔子にはアニソンロックみたいなのより、こういう四つ打ちポップスを歌っていって欲しい。あと、タイトルも素晴らしいネ。ただ、トラックもボーカルもやっぱり「ちゃんと」し過ぎているので、「良い曲」以上ではなかったなー。


ももいろクローバー - ももいろパンチ(tofubeats remix)
で、こっちが「良い曲」以上の曲。今やポストAKB48との呼び名も高い週末ヒロイン達の1stシングルを新進気鋭のトラックメイカーtofubeatsがリミックス!ボーカルの粗さが前面に出ていて、アイドルソングの魅力が非常に分かりやすい形で表現されてます。いやーJ-POP追いかけてて良かった!ちなみに最近加入した新メンバーの一番顔が残念な娘の名前はアリヤスさん!!


ravex - Golden LUV feat. MAKI GOTO
後藤真希バッカゲン!今年、特に3月はこれしか聴いてませんでした。
こーゆーあまり洗練されていないクラブ系J-POPは結構ストライクです。
なんつーかトラックが派手!バブル!!もともとハロプロみたいな生温い温室よりもエイベックスみたいな下品で卑しいゲットーの方が彼女の体質には合ってたみたいで何より何より。もちろん、今もバリバリ売女スタイルで活動中!




今年に出たもの以外ではメジャーでやるべきことを見事にやってのけた「いきものがかり - 気まぐれロマンティック」や、倒錯した性を感じさせるPVも含めて最高な「星井七瀬 - パーマパビリオン」、説明不要のスペースファンク「大橋のぞみ - ケータイが欲しい」あたりが素晴らしかったです。
来年もいい音楽がいっぱい聴けたらいいですね☆

2009年12月18日金曜日

DJ Kensei『Tight7』 Indopepsychics『Meckish』


90年半ばの東京屈指の王道HipHopDJは、突然アンダーグラウンドに身を沈めることになり、その後、エレクトロニカ~ハウスを経由し徐々に地上に昇り、結果ジャズに辿り着く。これが後追い世代のボクから見たDJ Kensei。
DJ Kenseiを支持する人たちはある一定の年齢層に偏っていて、ボクたちの世代にはあまり居ない気がする。で、なぜそんなことになるのか、というと、DJ Kenseiの豊かな音楽経験の足跡を辿るには余りにも彼の過渡期の作品資料が少ないからじゃないかな、と。つまり「点」は分かってもそれが「線」になり辛いから、後追いクンはDJ Kenseiの全体像を把握しにくいんですね。
それらの「点」のうちの一つ、アングラHipHop~エレクトロニカ期のDJ Kenseiを記す今回紹介する音源は今までドップリ浸かっていた東京HipHopコミュニティというぬるま湯から抜け出し、全く新しい場所へ踏み出した彼の実像を描き出す。そこに感傷的な過去の思い出や新天地に踏み出していく気概のようなものはまったくない。つまり、明らかに過去と断絶されたDJ Kenseiがそこに記されているのだ。これは他の「点」においても同様で、この話はこの話の元に戻る、つって。
99年のDJプレイを収めた『Tight7』で行われているインストブレイクビーツ中心の選曲は既にエレクトロニカ前夜(そういう意味ではこれが「線」か)のDJ Kenseiの輪郭を描き出していると言えるでしょう。特に中盤が後のDJ Kenseiを知ってると非常にエレクトロニカ的に聴こえて、おもしろい。全く同じ曲をKrushもよくかけてたけど、DJによってこうも聴こえ方が違うものか。
また、東京エレクトロニカブームの立役者だった中期Indopepsychics(Kensei, Nik, Doi)名義のRemix
とコンピ提供曲を集めた『Meckish』は『Tight7』と地続きである所謂地に足ついたビートを聴くことができる。ビートが完全に狂ってて、その狂い方だけで7分半聴かせてしまう「Femi Kuti - Sorry Sorry (Indopepsychics Remix)」がベスト。他にも重要作「UNKLE - The Knock (Indopepsychics Remix)」や、大塚広子さんのMixにも入ってたクラシック「J-Treds - Praise Due (Indopepsychics Remix)」等、聴き所は多い。Indopeのドラムはこの先どんどん液体化が進んで遂には完全に溶けてしまい、上モノだけがふわふわ浮遊することになるんだけど、それはまた後のお話。
この頃の「点」がボクの琴線に触れてしまった為に、この先DJ Kenseiがどう変化しようと、ボクの中のDJ Kensei像はこの二枚から大きく逸脱することはないでしょう、な。
 

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