2009年12月12日土曜日

松浦亜弥『松浦亜弥ベスト1』『想いあふれて』



思えば、本格的にJ-POPを聴くようになったのはタワレコがこのベストを大々的に売り出していた時に耳にした「ね~え?」がきっかけだったので感慨深い一枚です。で、やっぱり「ね~え?」を含む資生堂三部作はどれも「パパンケーキ」と並ぶ完璧なJ-POP。キラキラで、プリプリで、下品というか。松浦は商品として完成され過ぎていて、月島きらりと比べると下品さが足りないけど、それも一般層へのセールスを考えると妥当なのかもしれません。まさに国民的アイドル!・・・だったのかな?リアルタイムで聴いてなかったから当時の彼女のポジションはよく分かりませんが、多分人気あったんでしょうね!

「Yeah!めっちゃホリデイ」もベストで聴いて良さを再確認。はるな愛の物真似で最近また耳にする機会が増えたこの曲、実はAメロが凄いのです。オリエンタルなトラックの上でアブストラクトな歌詞を歌い、加えて“わらわ”口調・・・こりゃトリップしちゃいますよ。ちなみにこの曲のセルフカバーはDJ用(?)にイントロを延ばしてくれているのでありがたいです。
あと、“下北沢”を“シモキタ”と言いたい年頃の心境を見事に描写したデビューシングル「ドッキドキ!LOVEメール」の歌詞の異常性。ドキドキが止まらないくだり以外がリアル過ぎます。あたかも松浦亜弥本人が作詞しているのかと錯覚させるこんな異常な詩を作ったのは誰なのかとクレジットを見るとやっぱりつんく氏なんですね、流石。
つまならいバラードに陥りがちなテーマを見事に昇華させた「LOVE涙色」も何気に凄いと思います。
というか、デビューから「奇跡の香りダンス。」までのシングル曲だけ聴くと、「100回のKISS」と「草原の人」以外は全部素晴らしすぎる!凄まじい打率です。
ただ、森高千里のかバー「渡良瀬橋」、谷村新司作詞・作曲の「風信子(ヒヤシンス)」あたりから雲行きが怪しくなるんですよね。上述のシングル郡で松浦亜弥は最新のポップスを歌わせたら超一流ってことが実証されているにも関わらず、ここにきて00年代の空っぽ!具合から逸脱した時代錯誤な楽曲提供が増えてきちゃうんですよ。う〜ん。


で、その悪しきプロダクションの延長で作られた最新アルバム『想いあふれて』は一時期に比べると幾分マシなんですが、やはり、酷い。右も左も退屈バラード、退屈R&Bで埋め尽くされてとても一枚通して聴けません。その中でも爽やか四つ打ち曲「レスキュー!レスキュー!」なんかはまだ聴けるのですが、これがかつて「ね~え?」を歌っていたアイドルだと思うと、まるで彼女自身のアイドル人生のエンディング曲を聴いている様な気持ちになって、悲しい。
もしかして松浦亜弥が音楽的に幸福だった時期はタレントとしてのそれより遥かに短かったのではないか、そう感じさせるベスト&最新アルバムでした。

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